G7が2023年に打ち出した、生成AIの国際ルールの枠組みは何と呼ばれるか。
問題文・答え・解説をまとめて読む(全10問)
Q1第1章 AI(人工知能)
AI研究では、将棋や画像認識のように特定の領域に特化した能力を発揮する「特化型AI」に対し、人間と同じようにあらゆる領域で汎用的な知的能力を発揮できると想定されるAIを指す言葉がある。この呼び方の略称はどれ?
- ANI
- ASI
- AGI
- NLP
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答え:3— AGI
正解はAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)です。特定のタスクに特化したAIは対義語としてANI(Artificial Narrow Intelligence、特化型AI)と呼ばれ、現在実用化されている生成AIを含む大半のAIはこちらに分類されます。ASI(Artificial Superintelligence)はAGIをさらに超え、あらゆる領域で人間の知能を上回る段階を指す語で、まだ実現していません。NLP(自然言語処理)は言葉を扱う技術分野の名称で、知能の広さの分類を表す語ではありません。
Q2第2章 生成AI
OpenAIは2022年11月30日、対話形式でやり取りできる言語モデルを公式ブログで発表し、無料の研究プレビューとして公開した。このとき公開されたサービスの名称はどれ?
- ChatGPT
- Bard
- Copilot
- BERT
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答え:1— ChatGPT
正解はChatGPTです。OpenAIは2022年11月30日、研究プレビューとして対話形式の言語モデル「ChatGPT」を公式ブログで公開しました。GPT-3.5をベースに、人間のフィードバックを使ったファインチューニングを加えたモデルで、無料で誰でも試せる研究プレビューとして公開されたことから急速に話題になりました。Bardは後にGoogleが公開した対話型AIの旧名称、CopilotはMicrosoftのAIアシスタント、BERTはGoogleが開発した言語モデルで、いずれもOpenAIが2022年11月30日に公開したサービスではありません。
Q3第1章 AI(人工知能)
機械学習の手法の一つに、正解データを与える代わりに、ある環境の中でエージェントが行動した結果として得られる報酬を手がかりに、報酬の合計が最大になるように試行錯誤を通じて行動方針を学習していく手法がある。この手法の名称はどれ?
- 教師あり学習
- 教師なし学習
- 転移学習
- 強化学習
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答え:4— 強化学習
正解は強化学習です。強化学習は、正解ラベル付きのデータを与える教師あり学習や、ラベルなしデータからパターンを見つける教師なし学習とは異なり、エージェントが環境の中で行動し、その結果得られる報酬(または罰)を手がかりに、将来得られる報酬の合計を最大化するように行動方針を試行錯誤で学習していく手法です。将棋や囲碁のAIが自己対局を重ねて強くなっていく仕組みなどに使われています。転移学習は、あるタスクで学習した知識を別のタスクに応用する手法で、報酬による試行錯誤を前提とした学習法ではありません。
Q4第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則
EUは2016年に個人データ保護に関する新たな規則を制定し、2018年5月25日から適用を開始した。EU域内に拠点がない事業者であっても、EU居住者の個人データを扱う場合には域外適用されることがあるとされるこの規則の略称はどれ?
- CCPA
- GDPR
- HIPAA
- PCI DSS
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答え:2— GDPR
正解はGDPR(General Data Protection Regulation、一般データ保護規則)です。GDPRは2016年に制定され、2018年5月25日から適用が開始されたEUの個人データ保護規則で、EU域内に拠点を持たない事業者であっても、EU居住者に商品・サービスを提供するなどの場合には域外適用され得るとされています。日本企業も対象になり得るため、個人情報保護委員会がGDPRの逐条解説や関連ガイドラインの仮訳を公開しています。CCPAは米カリフォルニア州の消費者プライバシー法、HIPAAは米国の医療情報保護法、PCI DSSはクレジットカード業界のセキュリティ基準で、いずれもEUの規則ではありません。
Q5第3章 現在の生成AIの動向
生成AIサービスの中には、人物の短い音声サンプルから、その人物そっくりの声で任意の文章を読み上げさせる「音声クローン」を作れるものがある。親族や取引先になりすます詐欺への悪用が懸念されており、2024年1月には企業価値11億ドルと報じられた、この音声クローン技術で知られるAI企業はどれ?
- ElevenLabs
- Dropbox
- Zoom
- Slack
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答え:1— ElevenLabs
正解はElevenLabsです。ElevenLabsは短い音声サンプルから本人そっくりの声を合成する音声クローン技術で知られるAI企業で、2024年1月には企業価値11億ドルと評価されたと報じられました。一方でこの技術は、親族や取引先を装って金銭をだまし取る「なりすまし詐欺」に悪用される懸念も指摘されています。Dropbox・Zoom・Slackはいずれもクラウドストレージやオンライン会議・チャットのサービスを提供する企業で、音声クローン技術を主力とする企業ではありません。
Q6第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例
生成AIから望みどおりの出力を引き出すために、指示文(プロンプト)に含める文脈・指示・出力形式の例などを工夫し、繰り返し調整していく取り組み全体を指す言葉がある。この言葉はどれ?
- ファインチューニング
- アノテーション
- プロンプトエンジニアリング
- トークナイゼーション
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答え:3— プロンプトエンジニアリング
正解はプロンプトエンジニアリングです。Google Cloudの解説によれば、プロンプトエンジニアリングとは、生成AIモデルに十分な文脈・指示・出力形式の例などを与えて意図を正確に理解させ、望みどおりの応答を引き出せるようにプロンプトを設計・調整する手法とされています。モデル自体のパラメータを再学習で調整するファインチューニングや、学習データに正解ラベルを付けるアノテーション、文章をトークン単位に分割するトークナイゼーションとは異なり、モデルを変更せずに入力の工夫だけで出力を制御する点が特徴です。
Q7第2章 生成AI
生成AIの画像生成モデルの一つに、元の画像へ段階的にノイズを加えていく過程を学習したうえで、その逆の手順でノイズを少しずつ取り除いていくことで、ランダムなノイズから新しい画像を生成する手法がある。物理学における物質の拡散現象になぞらえて名付けられたこの手法の名称はどれ?
- 自己回帰モデル
- 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
- 決定木
- 拡散モデル(Diffusion Model)
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答え:4— 拡散モデル(Diffusion Model)
正解は拡散モデル(Diffusion Model)です。拡散モデルは、画像に段階的にノイズを加えていく過程と、その逆にノイズを少しずつ取り除いていく過程を学習し、ランダムなノイズから新しい画像を生成する生成AIの手法で、物理学でインクが水中に拡散していく現象になぞらえて名付けられました。Stable DiffusionやDALL-E 2など多くの画像生成AIで採用されています。自己回帰モデルは単語やピクセルを順番に予測していく手法、CNNは画像の特徴を抽出する際によく使われるニューラルネットワーク構造、決定木は分類・回帰に使われる別の機械学習手法で、いずれもノイズ除去によって画像を生成する仕組みではありません。
Q8第3章 現在の生成AIの動向
Google DeepMindは2023年8月29日、AIが生成した画像であることを見分けやすくするため、画像のピクセルに人の目では知覚できない電子透かしを直接埋め込み、トリミングや圧縮、フィルター処理などを加えても検出できるようにする技術をベータ版として発表した。この技術の名称はどれ?
- C2PA
- SynthID
- robots.txt
- reCAPTCHA
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答え:2— SynthID
正解はSynthIDです。Google DeepMindは2023年8月29日、Google Cloudと共同で、AI生成画像のピクセルに人の目では知覚できない電子透かしを直接埋め込む技術「SynthID」をベータ版として発表しました。この透かしはトリミングや色調補正、圧縮などの編集を加えても検出できるとされ、発表当初はGoogle Cloud「Vertex AI」上の画像生成モデル「Imagen」で利用できる機能として提供されました。C2PAはコンテンツの生成元や編集履歴を記録する業界標準の策定団体、robots.txtは検索エンジンのクロールを制御するファイル、reCAPTCHAは人間とボットを判別する認証技術で、いずれも画像に透かしを埋め込む技術ではありません。
Q9第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則
G7は2023年、日本の議長国のもとで生成AIをはじめとする高度なAIシステムに関する国際的なルール形成の枠組みを立ち上げた。同年10月30日にはG7首脳声明が発出され、高度なAIシステムを開発する組織向けの国際指針と国際行動規範が公表された。この枠組みの名称はどれ?
- ブレッチリー宣言
- パリAIサミット
- 広島AIプロセス
- シリコンバレー宣言
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答え:3— 広島AIプロセス
正解は広島AIプロセスです。日本は2023年、G7議長国として生成AIに関する国際的なルール形成を行う枠組み「広島AIプロセス」を立ち上げました。同年10月30日(日本時間)には広島AIプロセスに関するG7首脳声明が発出され、高度なAIシステムを開発する組織向けの『広島プロセス国際指針』と『広島プロセス国際行動規範』が公表され、同年12月には全てのAI関係者向けの指針も含む『包括的政策枠組み』が取りまとめられました。ブレッチリー宣言は同年11月に英国で開催されたAI安全性サミットで採択された宣言、パリAIサミットは2025年にフランスで開催された国際会議で、いずれも広島AIプロセスとは別の枠組みです。「シリコンバレー宣言」という名称の国際的なAI枠組みは存在しません。
Q10第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例
OpenAIは2023年6月13日、API向けのアップデートを公式ブログで発表した。その中には、天気情報の取得や計算処理など、生成AIが直接実行できない処理を外部のAPIやツールに実行させるため、AIに呼び出すべき関数名と引数をJSON形式で出力させる仕組みが含まれていた。この仕組みの名称はどれ?
- Function Calling(関数呼び出し)
- ファインチューニング
- エンベディング
- モデレーションAPI
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答え:1— Function Calling(関数呼び出し)
正解はFunction Calling(関数呼び出し)です。OpenAIは2023年6月13日の公式ブログ『Function calling and other API updates』で、モデルに外部の関数(API)の名称と引数をJSON形式で出力させ、天気情報の取得や計算処理など、モデル単体では直接実行できない処理を外部システムに実行させられる仕組みを発表しました。ビジネスでの活用では、社内データベースの検索や予約システムの呼び出しなど、生成AIと既存の業務システムを連携させる手段として使われています。ファインチューニングは学習済みモデルを追加学習で調整する手法、エンベディングは文章を数値ベクトルに変換する技術、モデレーションAPIは不適切なコンテンツを検知するAPIで、いずれも外部機能を呼び出す仕組みそのものではありません。