SET — GENERATIVE AI TERMSVOL.001 / TSUGINOTE AI QUIZ

生成AI 用語 テスト 全10問 — 出典つきで確かめる

答えは各問の「答えを見る」を開くと出ます。まず10問通して解いてから開くのがおすすめです。

毎朝5問のクイズから、AIの枠だけを抜き出しました。用語の定義、制度、すでに公表された調査の数字——半年後も答えが変わらないものだけを10問。難易度は易しい順に並べてあります。全問に解説と出典がついているので、外した問題はその場で確かめられます。

Q1シャドーAI / 難易度 1

組織の許可を得ないまま、従業員が業務でこっそり使っているAIツール。この状態を指す言葉は?

  1. シャドーAI
  2. ステルスAI
  3. ダークAI
  4. ローグAI
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答え:1 — シャドーAI

シャドーAIです。私物USBや無断のクラウド利用を指した「シャドーIT」のAI版で、「会社ではAI禁止なので自分のスマホでやっています」という状態がまさにこれにあたります。PwC Japanの2025年調査では国内従業員の52%が個人契約のAIツールを業務で使った経験があると報じられ、IBMの「Cost of a Data Breach Report 2025」ではセキュリティ侵害の20%にシャドーAIが関与していました。禁止は利用を消すのではなく、管理の届かない場所へ移すだけ。対策の要点は取り締まりではなく、公式ツールの提供と境界線の明示という受け皿づくりにあります。(2026年7月29日の5問より)

Q2RAG(検索拡張生成) / 難易度 1

社内文書をAIに使わせる方式として名前がよく挙がる「RAG(検索拡張生成)」。その仕組みの説明として正しいのはどれ?

  1. 社内文書でモデル自体を追加学習させ、知識を重みの中に覚え込ませる方式
  2. 答えを書き出す前に外部の文書から関連箇所を検索し、それを根拠に答える方式
  3. 生成した答えを別のモデルに採点させ、点数が低ければ書き直させる方式
  4. 利用者の入力を自動で言い換え、モデルが答えやすいプロンプトに整える方式
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答え:2 — 答えを書き出す前に外部の文書から関連箇所を検索し、それを根拠に答える方式

答えを書き出す前に外部の文書を検索し、その中身を根拠に答えを組み立てる仕組みです。名称と枠組みは2020年のLewisらの論文(NeurIPS 2020)に由来し、当時の外部知識はWikipediaでした。工程は三つだけ。①社内文書を検索できる形に置く、②質問に関連する断片を取り出す、③断片と質問をまとめてAIへ渡す。実務でつまずくのは②③ではなく①です。スキャンしただけのPDF、文脈のない表、同じ規程の版が三つあって最新が分からない——この状態だとAIは古い版を根拠に、堂々と間違えます。選択肢1のモデル追加学習はファインチューニングの説明で、再学習しないことがRAGの特徴です。総務省の令和8年版情報通信白書では、生成AIが参照できる社内データベースを構築していると答えた日本企業は24.5%、米国は57.2%、中国は73.0%でした。(2026年8月5日の5問より)

Q3間接プロンプトインジェクション / 難易度 2

AIブラウザやエージェントで問題になっている「間接プロンプトインジェクション」。同じ攻撃の「直接」型と区別される特徴は?

  1. 利用者自身が入力欄にあやしい指示を打ち込んで制限を外す
  2. 学習データに誤った知識を混ぜ込み、モデルの出力を偏らせる
  3. 通信を第三者が傍受し、AIへ送られる指示を書き換える
  4. AIが読み込むWebページや画像の中に、人に見えない命令が仕込まれる
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答え:4 — AIが読み込むWebページや画像の中に、人に見えない命令が仕込まれる

第三者が用意した外部データの中に命令が潜むのが間接型です。攻撃者は白い背景に白い文字、HTMLのコメント欄、画像内の淡い文字といった人には読めない場所に命令を書いておき、AIが「利用者からの指示」と「信頼できない外部データ」を区別しない性質を突きます。BraveのセキュリティチームはPerplexityのCometで2025年8月に実証し、同年10月にはスクリーンショット内の見えない文字でも成立することを示して、AIブラウザというカテゴリ全体の系統的な課題だと結論づけました。OpenAIは詐欺やソーシャルエンジニアリングと同様に完全には解決されない見込みだとしており、OWASPもプロンプトインジェクションをLLMリスクの第1位(LLM01)に据え続けています。現実的な防御は、権限を絞り危険な操作は人が承認する封じ込めです。(2026年7月31日の5問より)

Q4ワークスロップ / 難易度 3

AI生成物のうち体裁だけ整って中身のないものを指す「ワークスロップ」。米国のフルタイム労働者1,150名への2025年の調査で、受け取った人が1件の処理に費やした平均時間は?

  1. 約12分
  2. 約35分
  3. 約1時間56分
  4. 約3時間40分
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答え:3 — 約1時間56分

約1時間56分です。ワークスロップは BetterUp Labs とスタンフォード Social Media Lab が2025年に提唱した言葉で、見出しも図表もあり文章も破綻していないのに、読み終えても「で、どうするのか」が残らないAI生成の成果物を指します。同調査では回答者の41%が直近1か月にワークスロップを受け取っており、受け取った側の42%は送り手を以前より信頼できないと評価し直していました。問題はAIを使ったことではなく、検品という認知労働を送り手と受け手のどちらが引き受けるかにあります。検品を省いて渡せば、個人の時短がそのまま組織の時間赤字に化けます。(2026年7月28日の5問より)

Q5GenAI Divide / 難易度 3

MITプロジェクトNANDAの2025年の報告「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」で広く引用された「約95%」。この数字が指しているのはどれ?

  1. 生成AIツールを試したことがある企業の割合。導入の広がりを示す数字
  2. 生成AIの運用を情報システム部門だけに任せている組織の割合
  3. 生成AI関連の投資額のうち、上位の大企業が占めている割合
  4. 生成AIに投資したのに、測定できる損益効果が出ていない組織の割合
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答え:4 — 生成AIに投資したのに、測定できる損益効果が出ていない組織の割合

投資したのに、測定できる損益への効果が出ていない組織の割合です。報告は300超の公開導入事例のレビュー、52組織への構造化インタビュー、上級リーダー153人への調査を組み合わせ、推計300〜400億ドルが投じられた一方で約95%が損益に効果を出せず、成果まで運べたのは約5%だったとしています。ただしこの数字は独り歩きしやすい。評価期間の短さなど「成功の定義」で膨らむ余地があり、額面どおりには受け取れません。方向をそろえる別の調査もあります。2026年1月のPwC第29回グローバルCEO調査(95か国・4,454人)では、増収とコスト削減を両立できたのは12%、どちらの効果もないは56%でした。手法の違う二つが同じ絵を描いているところが、この数字の読みどころです。(2026年8月6日の5問より)

Q6自動化バイアス / 難易度 3

AIを業務に組み込むときの落とし穴として語られる「自動化バイアス(automation bias)」。この言葉が指しているのはどれ?

  1. 機械が示した答えを、自分の判断や手元の反証よりも優先して受け入れてしまう偏り
  2. AIが誤るところを一度でも見た人が、以後そのAIを人間より信用しなくなる傾向
  3. 学習データの偏りが出力に引き継がれ、特定の属性に不利な結果が出てしまう現象
  4. 自動化した業務ほど担当者が入れ替わりやすく、手順の知識が組織から失われる問題
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答え:1 — 機械が示した答えを、自分の判断や手元の反証よりも優先して受け入れてしまう偏り

機械が示した答えを、自分の判断や手元の反証よりも優先して受け入れてしまう認知の偏りです。もともとは操縦の自動化が安全に与える影響をめぐって1990年代の航空分野で論じられ、その後、医療・軍事、そしてAI支援の意思決定へと広がりました。失敗は二つの形をとります。機械が警告しないから気づかない見落とし(omission)と、機械が示すから反証があっても従う鵜呑み(commission)です。放射線科医27名を対象にした2023年の実験(Radiology 掲載)では、AIが不正確な区分を提示すると正答率が経験の浅い群で79.7%から19.8%へ、経験豊富な群でさえ82.3%から45.5%へ下がりました。経験は影響をやわらげはしても、消しません。なお「一度の誤りで見限る」は逆向きの現象で、アルゴリズム忌避と呼びます。人は過信もすれば、見限りもする。だから対策は「気をつける」ではなく、疑う手続きを仕組みの側に埋め込むことになります。(2026年8月7日の5問より)

Q7エージェント・ウォッシング / 難易度 4

調査会社ガートナーが2025年に示した「エージェント・ウォッシング」。同社の見立てでは、市場の数千社のうち実質的にエージェントらしい能力を備えるベンダーは何社ほど?

  1. 約13社
  2. 約600社
  3. 約1,300社
  4. 約130社
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答え:4 — 約130社

約130社です。エージェント・ウォッシングとは、既存のAIアシスタントやRPA、チャットボットに、実質的な自律実行能力を伴わないまま「AIエージェント」という看板だけを掛け替える動きを指します。ガートナーは、複雑な目標を自律的に達成する、状況に応じて計画を立て直す、といった能力を実際に備えるのは数千社のうち約130社にすぎないと見積もりました。同社は2025年6月、エージェント型AIプロジェクトの40%超が2027年末までに中止されるとも予測しています。理由はコストの膨張、投資対効果の不明確さ、リスク管理の不備。呼び名ではなく実際の振る舞いで見極める必要があります。(2026年7月27日の5問より)

Q8アルゴリズム忌避 / 難易度 4

AIが誤るところを見た人がAIを見限る「アルゴリズム忌避」。MIT Initiative on the Digital Economy の Zhang と Gosline の検証では、忌避が生じる境目はどこに置かれていた?

  1. AIの誤差が「人間の予測者ならこの程度だろう」という見積もりを上回ったとき
  2. AIの誤差が、事前に公称されていた精度の水準を上回ったとき
  3. AIの誤差が、利用者自身が予測したときの誤差を上回ったとき
  4. AIの誤差が、そのAIの過去の平均的な誤差を上回ったとき
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答え:1 — AIの誤差が「人間の予測者ならこの程度だろう」という見積もりを上回ったとき

その場にいない人間の同僚が、基準になっていました。2つの実験で、AIの誤差が小さくなるにつれて忌避は消え、逆に人間の予測者の誤差が大きくなっても消えています。つまり人はAIを絶対的な満点表で採点していたのではなく、勝手に人間を隣に立たせて比べていた。忌避そのものは2015年のDietvorstらの命名で、アルゴリズムが外すのを一度見ると、人間が同じ誤りをしたときより早く見限られる、という現象でした。ただし逆向きの報告もあります。2019年のLoggらは、助言が「アルゴリズム由来」と示されたほうがよく採用されたと報告しました。二つを分けているのは題材でも年代でもなく、誤るところを見たかどうかです。なお同じDietvorstらの2018年の実験では、予測値を2だけ動かせるようにするだけで、人は不完全なモデルを使い続けました。(2026年8月3日の5問より)

Q9エージェント・スプロール / 難易度 4

組織のAIガバナンスで語られる「エージェント・スプロール(agent sprawl)」。よく並んで出てくる「シャドーAI」とは逆向きの現象とされる。この言葉が指しているのはどれ?

  1. ベンダーが従来の自動化製品をAIエージェントと呼び替えて売り込む商行為のこと
  2. 禁止されているAIツールを、従業員が私物の端末でこっそり業務に使っている状態
  3. 正規に導入されたエージェントが増え、数・権限・責任者を誰も把握できない状態
  4. 一つのエージェントに与えた権限が、対話を重ねるうちに自動で広がっていく現象
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答え:3 — 正規に導入されたエージェントが増え、数・権限・責任者を誰も把握できない状態

正規に導入されたものが積み上がり、全体を把握できなくなる状態です。禁止をすり抜けて使われるシャドーAIとは逆に、部署ごと・チームごとに正当な理由で入れたエージェントが、全社の視点では「台帳のない資産」として積み上がっていく。都市が計画なしに郊外へ広がるスプロール現象になぞらえた呼び名です。OutSystemsの「2026 State of AI Development report」(世界のITリーダー約1,900人)では、96%がすでにAIエージェントを利用し、94%がスプロールによる複雑性・技術的負債・セキュリティリスクを懸念する一方、一元管理の基盤を導入済みは12%にとどまります。放置されたエージェントも権限とデータアクセスを持ち続けるため、第一歩は基盤の購入ではなく、名前・飼い主・権限・止め方・見直し日を書いた台帳の整備です。(2026年8月8日の5問より)

Q10検証税 / 難易度 5

AIの出力を確認し・修正し・他人に説明するために新たに発生するコストを指す「検証税」。Sageと調査会社IDCが2026年7月に公開した同名の白書では、財務担当者がこの作業に費やす時間は週およそ何時間と報告された?

  1. 約3時間
  2. 約8時間
  3. 約13時間
  4. 約20時間
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答え:3 — 約13時間

約13時間です。Sage/IDCの白書「The Verification Tax」は北米・EMEAの上級財務意思決定者2,275人を対象としたもので、財務担当者はAI出力の再構成・検証・説明に週約13時間を費やし、米国では49%が週15時間以上を検証に割いていると報告されました。Workdayの2026年1月調査でも、AIで浮いた時間の約37%が手直しに消えています。検証税はAIが未熟だから生じる一時的な費用ではなく、生成を機械に委ね判断と説明責任を人が握る分業がある限りかかり続ける構造的コストです。ゼロにはできないため、失敗コストの高い作業に検証を集中させ、安く的確に払う方向で管理します。(2026年7月30日の5問より)